まさPの雑記ブログ

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【ヒープリ二次創作】日なたの向こうから 第2話

『日なたの向こうから』は、ヒーリングっど♥プリキュア(ヒープリ)の平光ひなたちゃんが主役の二次創作です。

 

日なたの向こうから 第1話はこちらからお読みいただけます。

 

 

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食卓を飛び出して自分の部屋に戻った私は、電気も付けずにそのままベッドへと倒れ込んだ。

 

「うちのサロンもカフェも、本当に無くなっちゃうのかな…?」

 

私の頭の中から「サロンとカフェが無くなる」という言葉がずっと残ってて、グルグルと回っている。

 

その言葉が何度も何度も繰り返される度に、昔の思い出がとめどなく思い出されるー

 

 

 

お姉がトリマーとして働き始めたのは、私が小学校3年生になった頃*1だった。

 

昔からうちのクリニックの手伝いをしていたお姉は、ある時うちではトリミングをしていないことに気がついたらしい。

 

トリミングをしていなかったのは、パパが忙しくてできなかっただけだった。

 

「それなら、私がトリミングをやるよ!!」

 

と言って、高校卒業後にすこやか動物専門学校に通ったお姉は、学校を首席で卒業して、すぐにうちのクリニックでトリミングのサービスを始めた。

 

それで、2年ぐらいしてからアニマルサロンとして独立しちゃったんだよね。

 

(まぁ、独立とはいっても、サロンはうちの中でやってるんだけどね)

 

 

 

サロンをやっていくうちに、もっと宣伝できないのかと考えたお姉は、

 

「うちの前のドッグガーデンに来てるお客さんに向けて、カフェをやろうよ!それで、ペットたちと一日中過ごせるようにしちゃおうよ!!」

 

と言い出した。

 

それから、どこからともなく大きなワゴンを運転して帰ってきた時はビックリしたなぁ。

 

ワゴンカフェがオープン*2する前に、

 

「これが私の夢のお店よ!すこやか市で一番人気のカフェにするんだから!!」

 

と、キラキラした目でお姉が語っていたのは今でも覚えてる。

 

 

 

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それから、クラスのみんなにカフェのことを自慢して何度か来てもらったっけ。

 

私の誕生日会だってカフェでやってもらったことがあるんだから!

 

中学に入った頃には、うちのサロンもカフェもすっかり人気になっていた。

 

そして、うちのカフェは本格的に私と友達の溜まり場になったんだよね。

 

 

 

中学で初めて出来た友達のりなぽんとみなぴー*3とは、学校やショッピングの帰りには、いつも日が暮れるまで色んなことを話してたっけ。

 

そんなみんなとのおしゃべりの中で、

 

「このジュースにこのグミとか入れたら、もっとおいしくならないかな!?(笑)」

 

と、私がふざけて言ったことがキッカケで生まれたのがオリジナルメニューのグミジュースだ。

 

今ではもう、グミジュースはうちの看板メニューになって、ちまたの人気メニューにもなった。

 

それと、中2の時に初めて夢ポートでプリキュアになった日の帰りだって、りなぽんとみなぴー、のどかっちとちゆちーとみんなでお茶をしたのだってうちのカフェだった。

 

それからプリキュアとして色々なことを話すために、のどかっちにちゆちー、あすみんとニャトラン、ラビリンにペギタンにラテと、みんなで何度も何度も集まった。

 

 

 

ビョーゲンズたちとの戦いが終わったのは、中3になる前だった。*4

 

プリキュアをやっててせっかくニャトランたちとも仲良くなれたのに、

 

「一人前の地球のお医者さんになるために、俺達はヒーリングガーデンに戻らないといけないんだ…」

 

と言って、みんなとお別れもした。

 

あの日は一日中みんなで泣き続けて、立ち直るのに1〜2週間ぐらいかかったっけ。

 

ニャトランたち、今でも元気にしてるかな?

 

 

 

そうそう!

 

あすみん*5は人間として生きていけるようになって、ヒーリングガーデンに戻らずに済んだんだけど、

 

「私はこの目で、もっともっと地球のことを見てみたくなったのです」

 

と言って、本当にバックパッカーとして旅立っちゃって。

 

しかも、ラテまで

 

「アスミと一緒に地球のことをもっともっと勉強したいラテ!」

 

とか言っちゃって、ラテだけはニャトランたちとヒーリングガーデンに戻らずに、あすみんと世界中を旅しに行ったのには驚いたなぁ。

 

あすみんとラテは、今どこの国に居るんだろう??

 

 

 

そうやって、みんなとのお別れがあってからも、のどかっちとちゆちーはいつも一緒にいてくれたっけ。

 

けど、高校に入ってみんな進路のことを考え始めた頃から、次第に集まる回数も減っちゃって。

 

それで、高校を卒業してから、のどかっちはお医者さんになるために東京の大学へ行ったんだよね。

 

中学の頃に、のどかっちの子供の頃の病気の話を聞いた時から「もしかしたら、のどかっちはお医者さんになるかもなぁ」って思ってたけど、やっぱりそうだった。

 

のどかっちなら、みんなに優しいお医者さんになること間違いなしだよね!

 

 

 

驚いたのはちゆちー。

 

ちゆちーは、卒業したらすぐに旅館 沢泉で若々女将修行をするもんだと思ってたけど、

 

「『これからの旅館は、日本だけでなく海外からもお客様を呼ばなければいけない。だから、あなたは大学に行って勉強しなさい』とお母さんに言われたから、私、大学に進学することにしたの」

 

と言ってて、ちゆちーは県内一のすこやか大学へ行ったんだよね。

 

それで、今は大学で英語や国際文化交流を学びながら、土日には旅館の手伝いをするというハードなスケジュールをこなしてて。

 

それで、勉強も仕事も笑顔でこなしちゃうんだから、ちゆちーも凄いよね!!

 

 

 

みんな、夢に向かって羽ばたいてて、凄いなぁ。

 

私だって専門学校で勉強して、卒業後はうちでトリマーとして働くもんだと思ってたのに…。

 

それなのに…

 

それなのに…。

 

 

 

トントン。

 

「ひなた、ちょっといい?」

 

答えが出ずに暗闇の底に埋れていた私に、お姉の声が届いた。

 

 

 

【続く】

 

 

 

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あとがき

 

思い出の回想という名の本作の設定説明回でしたが、いかがでしたでしょうか?

 

ひなたちゃん曰く、お姉は器用で何でもできるとのことでしたが、気がついたら「22歳でサロンを独立させて、クリニックとサロンの宣伝のために23歳の頃にはカフェをオープンさせる」いう、あの美しく優しい顔立ちからは想像もできないようなとんでもなくパワフルお姉さんになってしまいました(笑)

 

本作を書いているのはヒープリ23話が終わった後なのですが、23話までのヒープリを見ていると、ひなたちゃんの物語は「できる兄や姉と自分を比べて感じる劣等感やコンプレックスをどう乗り越えるのか?」という物語だと感じています。

 

兄弟姉妹に感じる劣等感やコンプレックスって、子供の頃に乗り越えたとしても、大人になって自分が働くようになってからより一層感じる場面ってあったりすると思うんですよね。

(ましてや、本作では「サロンを独立させて、カフェまでオープンさせた」お姉が相手なので、その辺りを強く感じるような気がしています)

 

そんな風に思ったことから、本作では大人になったひなたちゃんがそれをどう乗り越えて成長していくのかというのが物語の軸としております。

 

果たして、次の話では物語がどう展開していくのか?

 

2話をまとめるのに1週間近くかかったので、第3話は9月20日(日)のヒープリ25話が始まる前にでも更新できるように頑張りたいと思います。

 

応援、よろしくお願いします。

*1:本作では、ひなたとめいさんの年齢差は12歳差、ようたとの年齢差は16歳としています。そのため、めいさんが専門学校を20歳で卒業してクリニックでトリミングを始めたとすると、ひなたは8歳で2年生を終えて3年生になる頃となります。

なお、ようたは24歳と最短で獣医になったとしているので、この年にアニマルクリニックの人手が一気に増えたことになります。

*2:ワゴンカフェがオープンしたのは、ひなたが5年生の夏頃で、めいさんがトリミングを始めてから2年ちょっとが過ぎた頃としています。

*3:ヒープリ第4話で出てきたりなぽんとみなぴーは、ひなたの性格を熟知していることから1年以上の付き合いがあると思うので、本作では中学に入って最初にできた友達としています。

*4:ヒープリを例年通り1年で終わるシリーズとすると、中2の12月〜2月頃にビョーゲンズたちとの戦いが終わるとします。でも、本作の作者である私は、新型コロナで話数が短くなっての打ち切りではなく、ヒープリ2期があると信じています!!(笑)

*5:アスミは名前がカタカナなので、本来は「アスミン」と表記すべきなのでしょうが、名前に柔らかい響きを持たせたかったので本作ではひらがな表記としています。